有頂天家族 考察

※この記事は有頂天家族原作、1期、2期のネタバレを含みます。ご注意ください。

 

有頂天家族2、アニメを完走したので考察や感想を書き連ねていきたいと思います。

 

初めて有頂天家族を見たのはちょうど一昨年の年末でした。物語の核となる、偽右衛門選挙の時期が年末、ということで、季節とシンクロしながら見られたのがとても印象に残っています。面白くて面白くて一気にワンクールみてしまいました。そのあと原作や公式読本を読み漁り、すっかり有頂天家族の虜に。

 

京都、という場所は私自身が修学旅行で行った場所であったり、個人的に思い出の場所であったりするので、思い出補正といいますか、かなり美化した印象で京都を捉えています。その美化した印象に、有頂天家族がすっぽりと収まったような。自分でもうまく言葉にできないんですが、京都の理想の姿が有頂天家族にはあるように思います。

 

いろいろ忙しくて2期を見るのがかなり遅れてしまいましたが。やっぱりとっても面白かったです。1期と同様、原作の雰囲気を壊さない、すばらしいアニメ化でした。

 

詳しい感想は後に書くとして、これからは個人的に物語を見て気になっている部分をまとめていこうと思います。

 

 

①狸の化けの皮がはがれるものの共通点は?

これ個人的に一番大きな謎だと思ってるんですけども。矢三郎が海星を見ちゃうと化けれなくなるのは「好きだからかな?」と思っちゃうんですけど、他の狸を見てるとそうでもないですよね。

 

例えば、父上は弁天様を見ると化けれなくなっちゃう。父上が弁天様のことが好きだからと考えられなくもないんですけど。そうすれば、弁天が父上を鍋として食べてしまったのは愛人関係だったのを隠すため?とつなげて考えることもできます。が、父上はストーリーの中でも家族を大切にしている描写がしっかりと見られますので、この仮説は成り立ちません、というか考えにくいです。(第一、矢一郎と玉瀾が恋愛している中でも化けられなくなることはなかったですし。)

 

とりあえず、現在わかっている狸たちと化けられなくなるものの関係をまとめてみます。

 

矢三郎→海星

母上(桃仙)→雷

父上(総一郎)→弁天

玉瀾→豆腐屋の喇叭

 

現在弱点として明言されてるのはこんなところでしょうか?この4つの共通点っていったい何なんだ!?と考えてしまいますが、阿呆なので思いつかないんですよね。

しかし、矢三郎と海星が夫婦になるうえで解決しなければいけない大きな問題になりますので、原作3巻で明確な答えが出るんじゃないかと思っております。

 

②父上に名付けられた狸たち

 

海星、玉瀾、星瀾のことですね。なんで海瀾とちゃうねーん、と心の中で突っ込みましたが。2巻、2期まで見るとやっぱりこの子たちが下鴨兄弟と赤い糸で結ばれてるんだな、と。父上のことだからわかってたのかな?ただの偶然なのか。彼女たちに何か共通点でもあるのか?

 

この3人の中でも海星のことについて。海星って下鴨家の口癖の「くたばれ!」を多用してるんですよね。下鴨家に嫁いだ玉瀾はそんなこともないのに。単純に口が悪い、矢三郎の口癖が移ったとも考えられるんですが、なんか意味があるのかも、と勘繰ってしまっています。

 

海星が海瀾とちゃうんかい、と書いていて思い出したんですけど、矢二郎が海星にかなわぬ恋をして、父上に相談した時のこと。父上は「俺に考えがある」といっていましたがこの「考え」って明らかにされるんでしょうか、こちらも、私、気になります。(本編と関係ありませんが。)

 

➂弁天が涙する理由、弁天という存在

弁天はミステリアスな存在であり、謎に包まれているからこそ醸し出される魅力があります。彼女について気になっていることまとめます。

 

有頂天家族では「丸」に関係するものが多々出てきます。狸が毛「玉」と比喩されていたり。赤「玉」ポートワインであったり。1期の弁天と矢三郎、淀川先生の金曜倶楽部の二次会のシーンや、2期の天満屋と矢三郎、弁天の邂逅のシーンでも「丸」い満月が輝いてましたよね。

 

――「丸いものがすきよ、私」

有頂天家族』p.179

 

――「丸くて可愛いから、達磨のままでいらっしゃい」

有頂天家族』p.166

 

原作の文章を読んでいると特に意識づけられるのが、弁天は「丸いもの」が好きだということ。

 

――「月が綺麗だと、なんだか哀しくなっちまうのよ、私は」

有頂天家族』p.180

 

満月を見ながら弁天がこぼしたセリフですね。満月→丸い→毛玉→狸、ってことで食べてしまった下鴨総一郎を思い出しての涙でしょうか?と思えば、

 

――「子どもというのは、わけもなく泣くものさ」

有頂天家族』p.200

 

という矢二郎の台詞。「子ども」、というのは弁天がまだ精神的に大人になれていない、ということ。まぁ、学生の間に赤玉先生に連れ去られて、天狗として生きてきましたからね。なかなか大人になれなくても仕方なかった・・・んでしょうか?

 

弁天がただの鈴木聡美だったころ。矢三郎と弁天が初めて会う場面ですね。矢三郎も

 

ーー「その頃、弁天はまだ弁天ではなかった。」

有頂天家族』p.38

 

とも述べていますし、アニメでも能登さんの演技が普段の弁天と比べてかなり幼い無邪気な声でした。この描写から、赤玉先生から攫われたことは、鈴木聡美が弁天になった直接の原因としては考えられません。

 

では、いつ鈴木聡美は弁天になったのか?というと「魔王杉事件」の時なんですよね。詳しいことは『有頂天家族』p.24を読んでいただきたいのですが、まぁ要約すると「魔王杉事件」で赤玉先生を罠にはめ、先生から自由になったということです。

 

弁天が赤玉先生に対して不満がたまってた、遅れてきた反抗期?なのかと個人的には思ってます、この時期に弁天、鈴木聡美という人間の転換点があったのかな、と。

 

赤玉先生への反抗期、といえば、1期のアニメのEDである「ケ・セラセラ」のなかで弁天が夜の商店街の前の椅子に座り込んでかったるい表情してる作画がありましたよね。衣装も髪型も派手で、丁度この時が反抗期の時だったんじゃないかと思っています。そして、この時の髪型と衣装が、弁天が金曜倶楽部に入ったとき、父上を食べてしまった時の髪型と衣装と一致するんですよね。

 

この「魔王杉事件」の頃、弁天の人間(天狗?)性の根幹にかかわる、大きな出来事があったと考えてるんですが・・・、弁天が如意ヶ嶽薬師坊を継ぐことになる上で(二代目がいるのでまだ不明ですが)重要な問題となってくるのでこちらも次巻で明らかにされるだろうと思いたいのですが、冒頭にも書いた通り、つかみどころがないところが弁天たる所以といいますか、キャラクターの魅力にもなっている部分なので、明らかにされず読者に委ねられる形になるのかとも思っています。

 

弁天について、2期でズガガガガーーーン!となったのが、淀川教授の研究室の鈴木君のことです。原作読んでたのに全く気付かずに読み流してたけど、鈴木君、弁天と名字が一緒だし似てる!髪色も弁天が人間だったころと一緒!ということで、鈴木君と弁天の絡みも次巻に期待したいと思ってます。

 

 

 

つらつら書き進めて読みにくい文になってしまいましたが、まだまだ有頂天家族で描きたいことがあるので、次の記事で書いていきたいと思います。

 

記憶があいまいなところもあるので、間違ってたところがあればぜひ教えて下さい。